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企画からリリースまで、全行程を熟知したエンジニアはエグゼクティブ人材になれる!

Agileに注目が集まって久しく、すでに実践している現場も多いだろう。しかし、「上手くいっていない」と頭を悩ませているマネージャーもいるのではないだろうか……これに対して「Agileのスピードにビジネスを合わせていかないといけません」、そう語るのは戦略スタッフサービスの代表取締役、戸田孝一郎氏だ。

 

普通だったらビジネスのスピードにAgileを合わせていくもの、と考えてしまいそうだが、戸田氏が力強くそう語るのには理由があった。今回は、DevOps Master資格の企画・開発を担った戸田氏に、AgileとDevOpsの考えかた、活用の仕方についてお話しを伺った。

 

◎Agileのスピードにビジネスを合わせるとはどういうことですか?

 戸田孝一郎さん(以下、戸田):実はAgileが成功しても現場は嬉しくないんです。開発速度が速くなったのに評価してもらえない……何故、評価されないのか、ビジネスのスピードがAgileについてこられないからです。

 

これまで開発に3ヶ月かかっていた現場がAgileによって1ヶ月まで短縮できたとしたらどうでしょう。普通なら喜ぶべきですが、営業が開発に3ヶ月かかると考えていた場合、Agileが成功してもビジネスに上手く乗せられないですよね。

 

ソフトウェアが一般的なものになってきて開発の現場は分業が進んできました。短時間で効率良くソフトウェアやWebサービス、アプリを開発する。DevOps、Agileも効率を上げるための“手段”として導入を進めていた現場をよく見かけました。しかし、組織の構造がAgileの効果をビジネスに生かせない状態にしてしまっていることが少なくないんです。

 

◎組織構造の何が問題なのでしょうか??

戸田:日本でも多くの企業が「industry engineering」の元を創り出したフレデリック・テイラーの考えかたに沿った現場を創り出しています。「計画と実行の分離」、要は仕事の内容別に分業を進めて効率化を上げようという考えかたです。


この考えかたにも一理ありますが、企業に全行程を把握している存在が減ってしまっている。また、あまりにも有名な概念なので、Agileを取り入れても分業の域を超えないのです。


効率化をはかるために分業化を進めてきたのに、かえって非効率な環境ができている……コンサルタントとして、いくつもそのような現場を見てきました。

 

◎分業をしたほうが効率は良いのではないでしょうか??

戸田;それは「一般的に考えられている」ことであって、「ベストではない」と考えています。簡単に言えば、分業とは「あとでまとめてやろう」のような考えかたですよね。同じ作業は同じ場所に集めて一度にやってしまうほうが速い。それは当たり前に見えます。

 

プレス工程は自動車作りに欠かせませんが、ひとつ金型を交換するのに数時間かかるそうです。数時間かかるのであればできるだけまとめてプレスしたほうが効率は良い。しかし、トヨタは金型交換の時間自体を五分に短縮。結果、まとめる必要がなくなりどんな順番でも自動車を作ることができるようになりました。

 

分業によって作業の効率は確かに上がるかもしれない。でも、「最も時間がかかる仕事は?」と質問すると「段取り」「調整」のような返答が来ることも多い。「効率化のために分業をするのは当たり前」だからこそ、分業したことにより発生する「段取り」や「調整」を見過ごしてしまうのではないでしょうか。

 

フレデリック・テイラーの概念は「大量生産」に適した方法です。しかし、現在はモノが溢れている状態。モノが大量に生産、供給されており、需要が追いつかない状態ではないでしょうか。「分業」はこの時代の変化に対応しきれていないように感じています。

 

もっと身近なことに落として考えてみましょう。例えば、年利15%と月1%だったらどちらを選びますか?普通は「年利15%」ですよね。しかし、私は月1%を選びます。11ヶ月目に破たんされてしまうかもしれない、より利率の高いお話しをいただけるかもしれない。そのときに、“年利”では舵を切れなくなってしまうのです。

 

これがAgile、引いてはDevOpsのベースとなる考えかた。掴みづらい未来に期待を抱くよりも、確実に掴める未来を掴み素早く判断していく。「分業」が適しているのであればそれも良いでしょう。しかし、「どうも上手く行っていない」と感じたときに、視点を変えるだけで「上手くいく」に変えることができると知って欲しいと考えています。

 

◎視点を変えるのに「DevOps」はどのような役割を果たすのでしょうか??

 

 

実はDevOpsは日本、トヨタから生まれ出たものです。トヨタは戦後すぐの昭和20年、10月に「3年後にはアメリカを追い越す」と決意を固めました。彼らが何をやったのか……フレデリック・テイラーを基にしたアメリカと同じような大量生産モデルを「やらない」と決めたのです。

 

自分たちが勝とうとしている相手と同じやりかたを目指しても、先行している相手のほうに分がある。だからこそ、トヨタはビジネスを考えた上で企画から生産、販売までを行う独自の生産モデルを考え出したのです。これがDevOpsの原型になっています。


DevOpsはAgileも包括したビジネスの“流れ”を作るもの。この“流れ”を創るためには、企画からリリースまで、ソフトウェアやWebサービス、アプリに関する全行程が見えていないといけません。トヨタの「現地現物」、実際に現場に足を運び、実際の作業を見ていく。全行程を把握して澱みなく“流れ”ていくようにしていくのです。


エンジニアは元々それができる存在でした。私たちの世代のエンジニアはすべて、いまで言う「フルスタックエンジニア」。すべての工程を経験しており、一人でゼロからヒャクまでを創り出してきました。大手IT企業でも現場たたき上げのエンジニアが社長に抜擢されていることがありますが、DevOpsの概念を学べばエンジニアもCTOではなく、CEO、エグゼクティブ人材になれると考えています。。


DevOps Master講座では、徹底的に「視点を変える」ことから始めます。分業の概念のままではAgileが成功してもビジネスは変わりません。自分たちの常識は何か、マネジメントの本質を一緒に考えながら、“現場”を創っていく。DevOpsを学び、私たちの世代が感じていたようなエンジニアリングの楽しさを是非継承して欲しいです。

 【戸田孝一郎氏 プロフィール】

日本アイ・ビー・エム: ソリューション営業、社内ベンチャーとして新規事業(ディジタル化商品企画及び商品開発の技術支援ソリューション)など広く活躍し、アマダ・アメリカ: 副社長CIO、合併プロジェクトコーディネーター、ペンタックス・オブ・アメリカ: 社長、(ペンタックス社 北米センター長)を歴任する。

2006年戦略スタッフサービス社を設立し、ソフトウエア・エンジニアリングのコンサルテーションを提供。2007年よりアジャイル(Scrum & XP) 開発の指導 (エンジニア育成300人以上)。2013年(社)TMS&TPS検定協会 理事&TMS指導員。2016年 DevOps2.0 を提唱、EXIN DevOps Master Certificationの企画・開発を担う。

 

 



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